1 燻煙乾燥について

木材の乾燥

なぜ乾燥させるのか?

植物は地面から水分を吸い上げて成長します。

伐採直後は幹や枝葉まで豊富に水分を含んでいますが、その水分は時間と共に蒸発して乾燥いきます。

木材はその乾燥過程で収縮・変形するのです。

完成した後に建物や商品が歪んだら嫌ですよね。


乾燥するとどうなる?

乾燥した後は収縮がおこりずらいので長期間の施工中や完成後の歪みが少ないです。

それ以外にも乾燥してない木材と比べて木材の強度があがる、建物の腐食を防ぐ、加工がしやすい、塗装がぬりやすいといった効果があります。


乾燥の種類

どうやって乾燥させる?

乾燥する前の材料を「グリーン材」、自然に乾かした材を「AD材」(AIR DRY)、人工的に乾かした材を「KD材」(KILIN DRY)と呼びます。

日本の一般的なKD材は蒸気式乾燥を用いていますが、私達は燻煙乾燥を採用しています。


それぞれの特徴

乾燥 表面割れ 経年による歪み・収縮 内部割れ エネルギー 期間
グリーン材 ない ある ない
AD材 天然乾燥 ある 少ない ない 日光・風 1年以上
KD材 蒸気式乾燥 少ない 軽微 ある 化石燃料 約1週間
燻煙乾燥 少ない 軽微 少ない 間伐や不要材 約1週間


間伐材や不要材を燃料にする

なぜ燻煙なの?

一般的に用いられる蒸気式乾燥のエネルギーは化石燃料ですが、燻煙乾燥は間伐材や用材に向かない不要材を利用しています。

間伐をすると森が元気になり、災害に強い土壌になります。

流通の過程でどうしても発生する不要材の受け皿にもなっています。

木材を燃やすとCO2が発生しますが、間伐した森が元気になり、光合成が活発に行われ排出と吸収がプラスマイナスゼロになります。このような炭素循環の考え方を「カーボンニュートラル」と言います。

森林は裸地の3倍の保有水を貯蓄します。元気な森を作る事は山崩れなどの土砂災害が起こりにくい自然環境整備だと思っています。


燻煙乾燥の相関図

燻煙乾燥の相関図


燻煙乾燥

用材に向かない不要材

用材に向かない不要材

用材に向かない不要材

用材に向かない不要材

火入れ前の燻煙乾燥燃焼炉

火入れ前の燻煙乾燥燃焼炉

燻煙乾燥処理炉

燻煙乾燥処理炉

燻煙乾燥前

燻煙乾燥前

燻煙乾燥後

燻煙乾燥後